お便り

未来の私へ

 その前にここ10年ほどを振り返ると、踊りと同時に老親の介護と看取りという現実がありました。殊に昨年は父が旅立ち、日本舞踊界にとっても私自身にとっても、一つの節目でしたね。多くの人が経験することでしょうが、よく頑張りました。

 2024年の祐子さん、念願の健太郎さんのチェロでの“影姫”の再演、宿題であった構成・振付の手直しで新たに何を得られるのでしょうか。苦しみながら楽しんで挑戦してください(笑)。

 2025年の祐子さん、父の追善舞踊会で何を踊りますか? どんな演目であっても、稽古を尽くし懸命に。しかしながら淡々と。父の生きざまのように。

 三年後の祐子さん、日本舞踊をもって社会貢献が叶えばと、UPNEXTの高橋正登さん、タマプロの玉塚充さんの声掛けに応じて始めた“未来の日本人創り”を目指した講座が形になりました。おめでとうございます。

 花柳茂香先生のご門下、かなでさんが還暦で舞台に立つことを目標に稽古に邁進なさっていらっしゃるとのこと、その折には一緒にと誘って頂きました。古希を過ぎた祐子さん、ちゃんと踊れますか?

 いつまでできるのか。母が言っていた様に、やり尽くして上手く枯れ、感謝の内に舞台を去れたら、舞踊家冥利に尽きますね。

 頑張れ、未来の私!

西川祐子

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