吉井健太郎さま
健太郎さん、お元気ですか?2019年のリサイタルでは大変にお世話になりました。チェロと日本語の歌詞による日本舞踊はお陰様で好評でした。次回の打合せをメディアチャパとしていた所コロナ禍となり…。
チェロで踊りたいという私の呟きを聞いた友人から健太郎さんを紹介され、20年程の間に影媛までに4回の作品作り。お互いの拠点が、ウィーンと東京と離れていることもあり 会えば稽古と本番となる為ゆっくり話したこともないのに 健太郎さんの演奏なら私の振り付けや舞踊表現に不足があっても大丈夫と安心できる自分の不思議な感覚の根拠は一体どこにあるのか。コロナ禍でたち止まり、自分の舞踊が他者の何かになれているのか、それとも自己満足か?健太郎さんの音楽への向き合い方に答への道が見つかりそうで、お訊ねします。
健太郎さんにとってチェロとは、音楽とは何ですか?
西川 祐子
祐子さん
祐子さんと共に作品を創り上げていくのはとても素晴らしい事です、
毎回楽しみで そして勉強に成ります。ありがとうございます。
日本の文化と西洋の文化 と言う差、と言うことは全く感じないばかりか
「いったいその様な差と言うものは存在するの?」と言う感覚を持ちます。
自己満足 と言うのは僕はまったく悪いことでは無くこれこそ生きているうちの最も素晴らしい時間だと思っています。
カザルスという偉大な音楽家がいました、彼の言葉に
「コンサートで一箇所でも自分の思い通りに弾けたら大満足だ」
と言うのがあります。 本番というものがいかに難しいか、
と言うことでもありますが芸術家の正しい生き方、と言うものがこの言葉に詰まっている様な気がします。勿論芸術家だけでは無く真の人間の生き方なのだと思います。
僕にとってチェロはシンプルに『素敵な楽器』そして
音楽とは『時の流れが音に成っている』という事だと思っています。
ウィーンより
吉井健太郎