堀内 美由紀 先生
西川祐子が開設したホームページ(H.P.)“西川祐子日本舞踊”に、学校教育と伝統芸能をテーマとして執筆を希望しております。
H.P.では、日本舞踊の魅力について、関心を寄せて下さる各界の方々と西川祐子との往復書簡形式で配信しております、これまでの執筆者には、チェロ奏者、能楽狂言方、バレエダンサー、大学教授、俳優、作家がおいでになります。
具体的に伺いたいことは;
① 伝統芸能(日本舞踊)を授業に取り入れた教育方針について
② これまでの成果について
③ 授業の形として今後こうあったら良いという点や、学校教育の中で更に果たせる役割があるとしたらどのようなものであるか?
以上、ご意見を頂戴できれば幸甚に存じます。
西川先生
ご提出が遅くなり、大変に申し訳ございませんでした。
下記の通り、回答させていただきます。何かございましたらお知らせくださいませ。
① 伝統芸能(日本舞踊)を授業に取り入れた教育方針について
中学校の学習指導要領では、武道について、特性や成り立ち、伝統的な考え方、技の名称や行い方を身に着けることができるよう指導する。そして、ダンスについて、特性や由来、表現の仕方を身に着けることができるよう指導するとされています。
グローバル社会を生きていく子供たちは、今後ますます多様な文化を持つ人々との調和と協調を大切にしながら、国際社会の中で生きていかなければなりません。
日本に生まれ育ち、日本が大切に育んできている伝統芸能の一つである「日本舞踊」に触れる機会を設けることにより、自国の文化について確認をし、意識を深め、他国の文化との違いを知り、双方の良さを認め合う。結果として、他者を受け入れる寛容さを育み、日本文化の伝承者としての役割をも担うことができるようになるのではないかと思います。
授業においては、和の旋律を楽しみながら、日本文化の象徴ともいえる着物(授業では浴衣)を着て、礼儀作法に至るまでを学ぶことができる良い機会ととらえております。
② これまでの成果について
夏休み中を利用した希望者による英国語学研修において、この日本舞踊を選択した生徒は浴衣と帯を持参して、現地のホストファミリーとのお別れパーティーで浴衣を自分で着て、お茶のお点前を披露するといったおもてなしで大変に喜んでいただいたことを報告してくれたり、夏休み中に浴衣を着て家族や友人と花火大気や夏祭りに出かけたりといったことも気軽にできるようになったと言っております。
中には、日本舞踊の授業を通して古典や歴史を勉強したくなったといった生徒もおり、この時間が興味関心を引き出す貴重な経験にもなっております。
③ 授業という中で今後こうあったらよいという点、学校教育の中でさらに果たせる役割について
現在も日本舞踊を通して、所作などの多くを学ぶことができておりますので、これが継続できたらと思います。日本文化を学ぶ役割を十分に果たすことができているものと思われます。
堀内美由紀(川村中学・高等学校 副校長)